【8月2日 CNS】中国経済の上半期報告で、対外貿易に関する最新の統計結果が示された。今年4月に税関総署が「輸出に大きな不安はない」と説明した通り、7月14日に発表された最新データでも輸出は堅調で、新たな成長も確認された。

上半期の輸出規模は、統計開始以来初めて13兆元(約268兆2368億円)を突破し、前年同期比7.2%の大幅な伸びとなった。6月に入ると、輸出入・輸出・輸入のすべてが前年同月比でプラスに転じ、伸び率も上昇した。具体的には、6月の輸出入額は3.85兆元(約79兆4393億円)で5.2%増、月間では過去2番目の規模となった。このうち輸出は2.34兆元(約48兆2826億円)で7.2%増と、5月に比べ0.9ポイント上昇した。輸出増加の加速は、世界第2位の経済大国である中国に大きな追い風となった。

では、国際環境が不安定ななか、中国の輸出はなぜ逆風を押して伸びたのか。

輸出は航海に例えられる。風が強いときに求められるのは速さではなく、安定性だ。中国の輸出船には、荒波に耐える「バラスト(産業チェーンの完備)」があり、風を受けて前進する「新たな帆(技術革新)」も備わり、さらに多様な市場開拓で「航路」はますます広がっている。多少の高波があっても、船は安定して進むことができる。

まず、完備した産業体系が輸出の底力となっている。中国は世界最大の製造業大国であり、「第14次五か年計画」以降も製造業付加価値は毎年30兆元(約619兆円)を超え、15年連続で世界首位を維持。主要な工業製品200種以上で生産量が世界一となり、中国で作れないものは減り、作れば高品質という評価が定着している。世界のサプライチェーンが揺らぐなかでも、中国の産業チェーンは自己修復力と代替能力を発揮し、輸出の安定成長を支えている。

さらに、科学技術と産業の融合が輸出競争力を押し上げている。上半期、中国のハイテク製品輸出は前年比9.2%増で、9か月連続の増加となった。高精度工作機械や船舶・海洋エンジニアリング装備は2割以上伸び、計測・制御機器も14.7%増加。国際市場の需要に合わせて製品をカスタマイズする企業が増えており、例えば電力不足の地域向けに太陽光充電対応の携帯電話を開発したり、砂漠地帯向けに耐砂塵・高温エンジンを投入したりして、海外の顧客から高く評価されている。

また、対外貿易の「友好圏」を広げてきたことも柔軟性をもたらした。単独主義や保護主義が強まるなかでも、中国は経済・貿易のネットワークを広げ、企業の信頼感を高め、急変する外部環境に対応してきた。上半期、中国は190以上の国・地域との貿易を拡大し、取引規模が500億元(約1兆317億円)を超える貿易相手は61となり、前年同期より5つ増えた。

7月14日の上海港外貿埠頭では、輸出コンテナが山のように積み上げられていた。欧州連合(EU)、日本、英国といった従来の主要市場への輸出も伸びる一方、新興市場がより大きな伸びをけん引した。上半期のアフリカ向け輸出入は1.18兆元(約24兆3476億円)で14.4%増、中央アジア向けは3572億元(約7兆3073億円)で13.8%増となった。

総じて言えば、中国の輸出は複雑で厳しい国際環境下でも、総量は増加し、質は向上し、変動は可控の範囲内に収まった。

粤開証券の羅志恒(Luo Zhiheng)チーフエコノミストは、中国が国際経済・貿易の課題と国内経済発展を統合的に判断し、各地で財政・金融面から外貿企業を支援していることが背景にあると指摘する。対米輸出の伸びは鈍化しているが、製品競争力と市場多様化により外貿は強い粘りを見せている。

複数の国際機関は2025年の世界貿易成長率を下方修正しているが、中国は独自のリズムと歩調で着実に進んでいる。中国の工場や商社は環境の変化に応じて新たな取り組みを進め、「中国製造」の看板を一層輝かせている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News