タイとカンボジア 停戦合意破ったと非難の応酬
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【7月31日 AFP】タイとカンボジアは30日、両国国境地帯で発生した激しい争いをほぼ停止させていた停戦合意を破ったとして、互いに非難し合う事態となった。
タイとカンボジアは先週、長年続く国境寺院を巡る対立が激化し、800キロに及ぶ国境地帯で武力衝突に発展。5日間の戦闘で双方合わせて少なくとも43人が死亡した後、29日からの停戦で合意していた。国境地帯からは約30万人が避難している。
カンボジア国民議会のクオン・スダリー議長は、スイス・ジュネーブで開催された第6回世界議会議長会議で「停戦の違反を防ぐためには、国際的な監視団と検査団を緊急に派遣する必要がある。停戦を破った者には責任を追及してほしい」と述べ、他国に対して停戦の維持を支援するよう求めた。
30日にカンボジア国防省の高官は、タイ側が停戦を2度破ったと非難している。
一方で、タイ外務省は、シーサケート県に駐留する自国軍が「カンボジア軍から小火器と手りゅう弾による攻撃を受けた」と発表。攻撃は30日朝まで続いたとして、「停戦合意への明白な違反だ」と強調した。
タイ首相府の報道官も夜間の交戦を報告したが、「タイ側は状況を制御しており、国境沿いの情勢は(30日)午前8時(日本時間同10時)以降、平常通りとなっている」と説明した。
ボルカー・ターク国連人権高等弁務官は、国境を隣り合わせる両国に対して停戦合意を完全に実施し、信頼と平和を築くための迅速な措置を取るよう求めた。
同氏は「この重要な合意は、外交努力を継続する中で、紛争の根本原因を解決するために、両国が誠実に完全に尊重しなければならない」と述べた。(c)AFP