【7月29日 AFP】イスラエル人入植者がパレスチナ自治区ヨルダン川西岸にあるキリスト教徒の村タイベを夜間に襲撃し、車に放火したり、脅迫的な落書きをしたりした。目撃者とパレスチナ自治政府(PA)が28日、明らかにした。

タイベに住むパレスチナ・テレビのジャーナリスト、ジェリーズ・アザール氏はAFPに対し、この夜襲で自宅と車が標的にされたと語った。

「外を見ると車が燃えており、彼ら(入植者たち)は車と家に向けて何かを投げていた」とアザール氏は語った。

パレスチナ自治政府は声明を発表し、タイベ襲撃は「イスラエルの植民地入植者」のしわざだと非難した。

イスラエルの警察と軍は共同声明で、タイベに派遣した部隊から、「パレスチナ人の車両2台が燃やされ、落書きがされていた」との報告があったと述べた。

容疑者は捕まっていないが、イスラエル警察が捜査を開始した。

パレスチナ当局がソーシャルメディアで共有した写真には、タイベ村の壁に「アルムハイル、おまえたちは後悔することになるだろう」と書かれた落書きが写っていた。アルムハイルは、今年入植者による襲撃を受けた近隣の村を指している。

パレスチナ外務省は襲撃を非難し、「入植者によるテロ」と呼んだ。

ドイツのシュテフェン・ザイベルト駐イスラエル大使も襲撃を非難。X(旧ツイッター)に「こうした過激派入植者たちは、神から土地を与えられたと主張するかもしれないが、彼らはいかなる信仰からも許されない犯罪者でしかない」と記した。

タイベ村とその周辺ではここ数か月、古代ビザンチン様式の教会への放火など、入植者による暴力事件が相次いでいる。

パレスチナ自治区最古のビール醸造所で知られるタイベの村人の多くは、米国籍も持つキリスト教徒だ。

入植者たちはここ数か月、タイベ近隣のコミュニティーを攻撃。3人が死亡し、パレスチナ人の井戸が破壊され、少なくとも一つの牧畜民コミュニティーが移住を余儀なくされた。(c)AFP