【7月24日 AFP】自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、ステランティスで構成する米自動車業界団体「米自動車政策会議(AAPC)」は23日、日米関税合意で日本車に課す追加関税を、3社が製造拠点を置くメキシコとカナダからの輸出車に課す関税よりも低く設定していることを批判した。

AAPCのマット・ブラント会長は、ドナルド・トランプ大統領による日本との合意は米自動車業界にとって「悪い取引」だとの見解を示した。

日米関税合意は、自動車を含む日本からの輸入品に15%の関税を課す。

米国外で製造された自動車は現在、トランプ氏が4月初めに発動した25%の追加関税に直面している。

石破茂首相は、日本の雇用全体の約8%を占める自動車業界への救済措置だと強調。米国が自動車と自動車部品への関税を数量制限なしで引き下げるのは世界初だと述べた。

だが、この救済措置は、トランプ氏が第1次政権時に交渉した2020年の米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を中心にサプライチェーン(供給網)を構築してきたビッグスリーには受け入れられなかった。

3社はいずれも、カナダとメキシコから米国に自動車を輸出している。

ブラント氏は「米国の自動車メーカーは日米合意の詳細を精査しなければならないが、米国製部品はほとんど使われていない日本からの輸入車に、米国製部品を多く使われている北米製自動車よりも低い関税を課すような合意は、米国の産業とそこで働く労働者にとって悪い取引だ」と述べた。

日本との合意は、トランプ政権が自動車に現在25%の関税を課している他の自動車産業を中心の国々との交渉を行っているさなかに成立した。

これらの国々には、米国と欧州連合(EU)との貿易交渉において重要な役割を担うドイツのほか、韓国も含まれている。

起亜自動車と現代自動車に加え、GMもシボレー・トラックスなどを韓国で製造して米国に輸出している。

GM幹部は22日、米韓の貿易交渉で関税率の引き下げを期待していると示唆し、韓国で製造した自動車の価格の手頃さに言及した。

GMのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は、「韓国からの自動車輸入を継続しているのは、収益性が高く、需要が非常に高いからだ」「お客様はこれらの車両を高く評価している」と述べた。(c)AFP