【7月12日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権は11日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第1シードのヤニック・シナー(イタリア)と前回王者で第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が決勝進出を果たし、人々を魅了するライバル関係は最新章を迎えることになった。

シナーはセンターコートで第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6-3、6-3、6-4で圧倒し、ウィンブルドンでは自身初、四大大会(グランドスラム)では通算5回目となる決勝進出を果たした。大会2連覇中のアルカラスはその数時間前に、6-4、5-7、6-3、7-6(8/6)で第5シードのテイラー・フリッツ(米国)を下し、3年連続の決勝に駒を進めた。

全仏オープンテニスのクレーコートで行われたフルセットの戦いからわずか35日。両者はウィンブルドンのグラス(芝)コートで再び相まみえる。シナーはローラン・ギャロス(全仏)の決勝で2セットアップに加え三つのチャンピオンシップポイントをふいにした痛みを、アルカラスに対して晴らそうとしている。

シナーは「再びカルロスとコートを共有することは、自分にとって大きな名誉だ」「僕らは互いを限界まで押し上げようとしているし、彼は間違いなく尊敬する選手の一人だ」と述べた。

一方でアルカラスは「日曜日(13日の決勝)も限界まで行くことを期待している。素晴らしい決勝になるだろう。とても楽しみだ」「また5時間半もコートにいるのは望まない! そうは言いつつ、しなければならないならそうするだろう。でも素晴らしい試合になると思う」と述べた。

シナーはアルカラスとの対戦成績が4勝8敗で、直近は5連敗を喫しているが、2022年のウィンブルドン4回戦ではアルカラスから白星を挙げている。この黒星以降、アルカラスはウィンブルドンで全勝を収めている。

一方、シナーに敗れたジョコビッチは、準々決勝での負傷後に100パーセントの状態ではなかったと明かし、最多25回目のグランドスラム制覇はお預けとなった。

7度の大会制覇を誇るジョコビッチは「コート上での感覚は本当に良くなかった。けがの状態については詳しく話したくないし、ベストを尽くせなかったことについて愚痴を言いたくない」と語り、「これは不運ではない。ただの年齢と、体の消耗だ」と続けた。(c)AFP