米テキサス州洪水、死者119人に 160人超がいまだ行方不明
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【7月10日 AFP】米南部テキサス州で発生した壊滅的な洪水で、9日までに119人の死亡が確認された。依然として大規模な捜索活動が続いており、160人以上が行方不明となっていることから、死者数がさらに増加する恐れがある。
被害が最も深刻だったのは、州中部に位置するカー郡。同郡のラリー・レイサ保安官は記者団に対し、子ども36人を含む少なくとも95人の死亡を確認し、行方不明者は161人に上ると述べた。
カー郡は、テキサス州中部の丘陵地帯「ヒル・カントリー」に位置している。この地域は、水害が多発することでも知られている。
犠牲者の中には、金曜未明に川が氾濫した際に消息を絶った、青少年向けサマーキャンプに参加していた少女27人とカウンセラーも含まれるという。
被災地には、2000人以上の救助隊員、警察官、専門家らが動員されており、レイサ保安官は「総力を挙げた作戦だ」と述べた。
一方で、ドナルド・トランプ米大統領による政府予算の削減が、警報システムの弱体化を招いたのではないかとの疑問も高まっており、救助活動の対応にも批判の声が出ている。
9日と10日に行われた記者会見では、緊急対応の遅れに関する質問に当局が正面から答えず、場面によっては緊張が走った。レイサ保安官は「後に検証が行われる」とした上で、「そうした疑問には答える必要がある」と述べた。
米国の気候研究・報道機関「クライメート・セントラル」の気象専門家シェル・ウィンクリー氏は、今回の災害の背景にある要因として、地形と極端な干ばつを挙げた。
「少なくともカー郡の洪水は、極度から異常レベルの干ばつに見舞われていた地域で発生した。5月以降、この地域では平均を上回る気温が続いており、乾いた地面は雨を吸収しにくい」と記者団に語った。(c)AFP