【7月6日 AFP】英ロックバンド「ブラック・サバス」が5日、英中部バーミンガムでの1日限りのコンサート「Back To The Beginning」に登場した。フロントマンのオジー・オズボーン(76)にとって、キャリアを締めくくる最後のステージとなった。

会場となったのは、オズボーンが愛するサッカークラブ「アストン・ビラ」の本拠地であるビラ・パーク・スタジアム。コウモリの飾りが付いた巨大な革製の玉座に座ったオズボーンは、まず5曲のソロセットを披露。その後、20年ぶりにオリジナルメンバーと再結成したブラック・サバスとしてステージに登場し、最後の共演に臨んだ。

代表曲「Paranoid」でセットを締めくくったオズボーンは、「これが最後の曲だ。皆さんのサポートのおかげで素晴らしい人生を送ることができた。心の底から感謝する」と語り、観客の歓声を浴びた。

ビラ・パーク・スタジアムは、バンドが1968年に結成された場所からほど近い。ブラック・サバスは、自ら音楽ジャンルを切り開き、世界で7500万枚以上のアルバムを売り上げた。

この特別なステージには、世界の名だたるミュージシャンが集まり、ブラック・サバスへの敬意を表した。

サポーティングアクトの一つとして登場した米バンド「アンスラックス」が会場を温め、モッシュピットには熱狂の渦が巻き起こった。

その後、「エアロスミス」のボーカル、スティーブン・タイラーと「ローリング・ストーンズ」のギタリスト、ロニー・ウッドが、「レッド・ツェッペリン」の「Whole Lotta Love」を披露するという豪華なコラボも実現した。

「ガンズ・アンド・ローゼズ」は、「Welcome to the Jungle」のイントロだけで、約4万人の観客を熱狂させた。

「パンテラ」「トゥール」「スレイヤー」「メタリカ」など、世界的な大御所たちが次々と登場し、会場を盛り上げた。

メタリカのボーカル、ジェームズ・ヘットフィールドは「サバスがいなければメタリカも存在しなかった。人生の目的を与えてくれてありがとう」と語り、観客の喝采を浴びた。

ブラック・サバスのステージに観客は大歓声で応え、代表曲「War Pigs」では一斉に拳を突き上げてモッシュを繰り広げた。

観客のひとり、57歳の男性はAFPに対し「すべてが本当に素晴らしかった。オジーのために、できるだけ大声で歌った」と語った。29歳の娘は「オジーには私たちの愛が伝わっていたと思う。それがうれしくて、涙が止まらなかった」と話した。

コンサートのチケットは販売開始からわずか16分で完売し、世界中のファンがオンラインでも視聴した。

オズボーンは2020年にパーキンソン病を公表し、以後ツアー活動を休止していた。今回のコンサート収益は、パーキンソン病の研究団体やバーミンガム小児病院などに寄付される。(c)AFP