「ビーチ・ボーイズ」ブライアン・ウィルソンさん死去 82歳
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【6月12日 AFP】米国のバンド「ビーチ・ボーイズ」の結成メンバー、ブライアン・ウィルソンさんが11日、死去した。82歳。家族が公表した。ウィルソンさんは、ビーチ・ボーイズの大成功を導き、「カリフォルニア・ドリーム」を音楽にした立役者だった。
インスタグラムでの声明では死因は明らかにされていない。ウィルソンさんは昨年、「重大な神経認知障害」により法定後見手続きが取られていた。
ポップミュージックに革命をもたらしたウィルソンさんが1960年代に生み出したヒット曲は「ビートルズ」に匹敵する成功を収め、「Surfin' USA」「I Get Around」「Fun, Fun, Fun」「Surfer Girl」など、気分が高揚する楽曲の数々でビーチ・ボーイズは米国で最も売れたバンドとなった。
ウィルソンさん自身はサーフィンをしなかったが、卓越した作曲能力と天才的な耳で、「海辺の楽園」を音楽でつくり出した。
ボブ・ディランさんはかつてニューズウィーク誌に、ウィルソンさんの音楽を識別する鋭い能力を絶賛し、「あの耳を、スミソニアン博物館に寄贈するべきだ!」と語っていた。
故ジョン・レノンさんは、ビーチ・ボーイズの1966年の「Pet Sounds」を史上最高のアルバムの1枚と称賛。
ポール・マッカートニーさんもウィルソンさんを「天才」と呼び、同アルバムの収録曲「God Only Knows」を聴いて涙を流したことがあると語っている。この曲をウィルソンさんは、わずか45分で書き上げた。
ウィルソンさんはわずか5年間で驚異的な作曲活動を行い、太陽とサーフィン、日焼けした女の子をたたえる楽曲を200曲以上制作したが、その後、数十年にわたり、薬物依存と重度のうつ病に苦しんだ。
そして35年後、ビーチ・ボーイズの未完成アルバム「Smile」を完成させた。同作は、ウィルソンさんの傑作と多くの人に見なされている。
ディランさんは11日、自身のX(旧ツイッター)にメッセージを投稿。「ずっと彼の音楽を聴き、彼の才能に敬服してきた。どうぞ安らかに、ブライアン」と追悼した。(c)AFP