23年のコカイン生産・押収・使用量、過去最高 報告書
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【6月26日 AFP】2023年の世界のコカイン生産・押収・使用量がいずれも過去最高だったことが、26日に発表された国連薬物犯罪事務所の年次報告書で明らかになった。違法薬物市場は世界で急成長している。
報告書によると、コカインの違法生産量は前年比約34%増の3708トンに急増。低水準にあった10年前に比べて4倍以上となった。
急増の背景には、コロンビアでの違法なコカ栽培面積の拡大と、収穫量に関する最新データの反映があるとしている。
コカイン押収量も2023年までの4年間で68%増加し、2275トンの過去最高となった。
使用者数も2023年に2500万人に増加し、10年前の1700万人から増加した。
報告書によると、コカインの主要な生産国は依然としてコロンビアだが、密売人はアジアやアフリカの新しい市場に進出しており、西バルカン諸国の犯罪組織が影響力を強めている。
2023年には、15〜64歳人口の推定6%が違法薬物を使用したとされ、2013年の5.2%から増加した。最も広く使用されているのは、依然として大麻(マリフアナ)となっている。
アンフェタミン系覚せい剤の押収量も2023年に過去最高を記録し、合成薬物の世界的な押収量の半分近くを占めた。フェンタニルなどオピオイド系鎮痛剤がそれに続いている。
また、昨年12月にシリアでバッシャール・アサド政権が失脚したことで、中毒性の高い覚せい剤カプタゴン(フェネチリン)の取引が「不確実になった」と報告書は指摘している。カプタゴンは、内戦下のシリアで大量に生産されていた。
「2024年と2025年の最新の押収データからは、カプタゴンが主にアラビア半島諸国に流出していることが確認され、在庫が放出されたのか、従来とは異なる場所で生産が続けられている可能性がある」としている。(c)AFP