■ユダヤ人との差別

タムラでは17日、ひつぎが運ばれる中、遺族の女性1人が悲しみのあまり失神し、周囲の女性たちに介抱される様子も見られた。

墓地では、男性たちが互いを抱き締め、用意されたばかりの墓穴の前で少女たちが泣いていた。

イスラエルは、イランの核兵器取得を阻止するためとして突然、空爆作戦を実施。核兵器の開発を否定しているイランは、それ以降、連日、イスラエルを攻撃している。

イランでは、イスラエルの広範な空爆により、軍司令官や幹部、核科学者、民間人を含め、少なくとも224人が死亡している。

緊張緩和を求める声が高まる中、双方が攻撃をやめる気配はない。

イスラエルでは、空襲警報がたびたび鳴り響き、市民はシェルター付近から離れず、通りは閑散とし、店舗も閉まっている。

しかし、イスラエルのアラブ系少数派の中には、政府はアラブ系に対する保護対策を十分に講じておらず、利用できる公共の防空シェルターに関しても格差があると指摘する人々もいる。

アラブ系少数派の大半は、1948年のイスラエル建国後も、現在のイスラエル領にとどまったパレスチナ人で、国民の約20%を占めている。

こうしたアラブ系の人々は、多数派のユダヤ人からの差別をしばしば訴えている。

「残念ながら、国はいまだに血と血で区別している」と、パレスチナ系のイスラエルの国会議員アイマン・オデー氏は、今週タムラを訪れた後にSNSに投稿した。

「タムラは村ではない。町にもかかわらず、公共のシェルターがない」と続け、こうした防空体制の不備は、イスラエルの「地方自治体」の60%にみられると指摘した。イスラエルの地方自治体は、国に町として正式に認定されていない地域を指し、その多くがアラブ系のコミュニティーだ。

妻子と義妹を亡くしたカティブさんのような住民にとって、アラブ系に対する被害はすでに取り返しのつかないものとなっている。

「この戦争は一体何のために行われているんだ? 二つの民族のために平和を築こう」

「私はムスリムだ。このミサイルで殺されたのはムスリムだ。ユダヤ人とムスリムをミサイルは見分けていただろうか? いや、そんなことはない。命中すれば、誰であろうと関係なく、ミサイルは人の命を奪う」とカティブさんは訴えた。(c)AFP