【6月12日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区で人道支援物資の配給を行う「ガザ人道財団(GHF)」は11日、スタッフを乗せたバスがイスラム組織ハマスによる襲撃を受け、少なくとも5人が死亡、複数人が負傷したと明らかにした。

GHFは声明で、現地時間午後10時(日本時間12日午前4時)ごろ、「GHFチームのメンバー24人以上を乗せたバスが、ハマスによる残忍な攻撃を受けた」と主張。

「まだ事態の把握に努めているところだが、悲惨な状況が明らかになった。少なくとも5人が死亡、複数人が負傷し、チームメンバーの一部が人質に取られた可能性も懸念されている」と続けた。

GHFはAFPへのメールで、バスに乗っていたスタッフは全員がパレスチナ人であり、人道支援要員だったと述べた。バスはガザ地区のハンユニス西部にあるGHFの配給拠点に向かっていたという。

GHFは声明で、「この凶悪かつ計画的な攻撃を、可能な限り強い言葉で非難する」「彼らは人道支援要員であり、人道主義者であり、父親であり、兄弟であり、息子であり、友人であり、毎日、自らの命を危険にさらして他者を助けていた」と述べた。

GHFは、イスラエルがガザへの物資供給を2か月以上完全に遮断し、大規模な飢饉の警告が出された後、5月26日に活動を開始。公式には民間団体としているが、資金は不透明で、米国とイスラエルの支援を受けている。

GHFは、活動開始から1週間で700万食分以上の食糧を配布したと発表したが、批判にさらされている。

GHFの配給拠点付近では、援助物資を受け取ろうと駆け寄る民間人に向けて、イスラエル軍が発砲した疑いがある。

イスラエル当局とGHFは、そのような事件は起きていないとして否定している。

国連と主要な人道支援団体は、GHFがイスラエル軍の目的に便宜を図るために設立されたという懸念から、GHFへの協力を拒否している。(c)AFP