【6月12日 AFP】2024年に仏パリ郊外で12歳のユダヤ人少女を集団レイプしたとして起訴された少年3人の公判が11日、パリ西郊ナンテールの裁判所で始まった。反ユダヤ主義的な攻撃が増加する中、この事件はフランスのユダヤ人社会に衝撃を与えた。公判は13日まで続く予定。

犯行当時13歳だった2人の少年は、被害者の宗教的な帰属を理由として未成年者を集団レイプした罪で裁判にかけられている。当時12歳だった3人目の少年は、この犯罪に加担した罪に問われている。

3人は全員、未成年者への性的暴行と性的画像の録画・共有の罪でも起訴されており、被害者の宗教的な帰属を理由として犯行に及んだことが罪を重くしている。

警察筋によると、少女は2024年6月15日、パリ北西郊のクルブボアの自宅近くの公園で、3人の少年に声を掛けられた。

少年たちは少女を小屋に連れ込み、殺すぞと脅したり、反ユダヤ主義的な発言をしたりしながら、殴打して性行為を「強要」した。

少年たちは少女を「汚いユダヤ人」と呼び、「少女が信仰するユダヤ教」やイスラエルについて質問したという。

少年の1人はその場面を撮影し、もう1人は通報すれば殺すと少女を脅した。

事件はフランスのユダヤ人社会に衝撃を与え、政治家たちから全会一致で非難された。

当時、エマニュエル・マクロン大統領は反ユダヤ主義という「災厄」を非難した。

少女の弁護士の一人は、「ご存じの通り、フランスでは反ユダヤ主義的な行為が急増している」「私たちの幼い依頼人は、襲撃を受ける前の1年間、学校で反ユダヤ主義的ないじめに苦しんできた。彼女は、反ユダヤ主義の高まりを考慮に入れ、政府が行動を起こすことを望んでいる」と述べた。(c)AFP