【6月2日 AFP】英労働党政権は2日、国防戦略と軍のあり方を大幅に見直す「戦略的国防レビュー」を発表する。「増大する」ロシアの攻撃性と、現代戦の性質の変化に警鐘を鳴らしている。

キア・スターマー首相は1日、敵対的な国家によって英国が「直接的に脅かされている」と警告。英紙サンに掲載された声明で「英国軍の中核的使命として戦闘即応態勢を復活させる」と述べた。

ロシアからの脅威に加え、ドナルド・トランプ米大統領がもはや欧州防衛を支援しなくなるという懸念を背景に、英国は軍備強化を急いでいる。

そうした中、スターマー政権は「戦略的国防レビュー」で、英国が直面する脅威を再評価し、対策を提示しようとしている。スターマー氏は「今後数十年にわたる国力と安全保障のための青写真」となると述べた。

先週末の英紙ガーディアンの報道によると、このレビューは無人機(ドローン)や人工知能(AI)が現代戦を変容させる中で、英国は「新たな脅威の時代」に突入していると警告している。

スターマー政権は今年2月、「冷戦終結以来最大の持続的な防衛費の増額」として、2027年までに国防支出をGDP比2.5%に引き上げると約束した。また2029年に終了する次期議会任期の期間内に、これを3%にまで引き上げることを目指し、その財源を確保するために海外援助を削減すると表明している。(c)AFP