トルコ出生率、1.48に低下 エルドアン氏が「家族の10年」宣言
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【5月24日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は23日、出生率低下に対応するため「家族の10年」を宣言するとともに、LGBT(性的少数者)運動は「逸脱している」と非難した。
エルドアン氏はイスタンブールで開催された国際家族フォーラムの開会式で、「2026~2035年の期間は、家族と人口の10年と見なされている」と述べた。
さらにトルコ統計局のデータを引用しながら、「わが国は大きな危機に直面している。トルコの合計特殊出生率(1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標)は、史上初めて1.48にまで低下した」「これは大惨事だ。この数字は人口が維持される水準である2.1を大きく下回っている」と続けた。
エルドアン氏は「私たちが今直面しているのは、単なる統計ではなく、行動を促す警告だ。だからこそ近年、すべての家庭に少なくとも3人の子どもを持つことを奨励する重要な措置を講じてきた」と続けた。
トルコ統計局によると、2001年の合計特殊出生率は2.38だった。
敬けんなイスラム教徒で、4人の子を持つエルドアン氏が、トルコの人口減少に警鐘を鳴らすのは今回が初めてではない。先月には、人口減少は「戦争よりもはるかに重大な脅威だ」と警告した。
1月には、2025年を「家族の年」とすると宣言。
さらに、2023年大統領選で繰り返し標的としてきたLGBTコミュニティーを、今回の演説でも激しく非難した。
「LGBTと呼ばれるこの逸脱した運動は、他のいかなるイデオロギーをも拒絶するファシズムと抑圧へと変貌を遂げている」と述べ、LGBTに反対することは「人間の尊厳と名誉のための闘い」だと述べた。
エルドアン氏は、伝統的な性別の区別を曖昧にする動きにも警鐘を鳴らした。
「一部の野党や女性団体がこの逸脱した運動を提唱しているが、性による区別を取り除く動きは国家安全保障への脅威だ」とし、政府は「断固たる決意でこれに対抗する」と表明した。(c)AFP