南ア国民、トランプ氏の「ばかげた」主張をジョークで笑い飛ばす
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【5月21日 AFP】南アフリカ・ヨハネスブルクのにぎやかなコメディーショーでは、ちょうど1週間前に約50人の南ア白人を「難民」として米国に送ったチャーター便について、どのコメディアンもジョークを飛ばさずにはいられなかった。
そうしたコメディアンの一人、チツィ・チウミヤさん(31)が、多様な人種が座る観客席の中に白人カップルを見つけ、わざと驚いたような表情で「白人だ! まだ残っている! 彼らにもっと快適に過ごしてもらわないと」とジョークを飛ばすと、会場は爆笑に包まれた。
ドナルド・トランプ米大統領は、南ア政府が同国の白人「アフリカーナー(オランダ系を中心とする南ア生まれの白人)」を迫害していると批判している。だが、1994年に多数派の黒人から政治的・経済的権利を剥奪する残忍な人種隔離政策「アパルトヘイト」が廃止されてから30年以上が経過した今も、少数派の白人による支配の遺産が色濃く残る南アでは、トランプ氏の主張は概ね嘲笑の対象となっている。
米国と南アの関係は今年、さまざまな政策をめぐって急激に悪化しているが、シリル・ラマポーザ大統領は21日に米首都ワシントンでトランプ氏と会談し、関係修復を目指す見通しだ。