広州交易会、スマートかつエコなペット用品が人気集める
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【5月8日 東方新報】第137回中国輸出入商品交易会(広州交易会)が現在、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)で開催されている。中国のペット用品輸出企業は「ペット経済」の新たな成長機会を模索し、世界中のペット愛好家により高品質で創造性あふれる製品を提供しようとしており、スマート化・環境配慮の理念が次第に成熟しつつある。
軽量で簡単に組み立てられる広々としたペットケージ、15メートルのファスナーで素早く設置できる折りたたみ式ペットベッド、持ち運びやすく多様な場面で使えるペット用フェンスなどが登場している。「欧米の消費者は車でキャンプに出かけるのが好きで、こうした設計はペットと一緒に旅の楽しみを共有できるようになっている」と浙江泰普森実業集団(Heng Feng)ペット事業部の製品マネージャー・張興虎(Zhang Xinghu)氏は説明する。中でも透明タイプのペットカートは犬の移動用に特化して設計されており、海外のバイヤーに好評だという。
張氏によれば、同社は海外市場に向け、主要な輸出先に現地法人を設立し、現地デザイナーを起用して各市場のニーズに合った製品を開発しているという。張氏の見立てでは、ペット用品の今後のトレンドは「スマート化」と「ブランド化」であり、製品はより細分化され、多様な顧客層の需要に応えるようになる。「特にブランド全体の構築については、今後いっそう力を入れる必要がある」と話す。
一方で、「杭州天元ペット用品」は、スマート猫砂トイレを展示していた。ヨーロッパ部門マネージャーの呉涛(Wu Tao)氏は、「この製品はスマートフォンで遠隔操作ができ、自動で清掃する機能を備えている。猫が中に入ると自動的に動作が止まり、猫の安全も守る設計だ」と説明する。猫が離れた後に自動で排泄物を処理する機能や大容量設計など、技術面でも大きな改良がなされており、海外市場でも注目されているという。
呉氏は、現在の取引先の多くが欧米とアジア太平洋地域であり、特に電子系の猫砂トイレは人気が高いと語る。「中国のペット用品業界はすでに一定の規模を持ち、グローバル市場でも高いシェアを有している。以前よりも特定の市場に依存する度合いが下がっており、今後はより実用的で、かつペットの習慣に合った製品が求められるだろう」と分析している。
また、環境配慮型の製品も強く打ち出されている。「江蘇正浩ペット用品」の展示ブースでは、活性炭とバイオ酵素を使った混合タイプの猫砂が紹介されていた。ブース責任者の史志博(Zhi Zhibo)氏は、「調査の結果、ここ数年で消費者の環境意識が高まり、それに伴ってグリーンな飼育スタイルへの需要が増えてきた。この猫砂はまさにそういった人びとに向けた製品だ」と話す。実演として透明な実験ボックスに猫砂を入れると、鼻を突くような臭いが瞬時に吸収された。会場ではその即効性に驚いたバイヤーも多く、欧州の企業2社がその場で試験発注を決定し、契約金額は20万ドル(約2863万4000円)を超えたという。
ペットの健康を守る技術にも注目が集まっている。「天津市依依衛生用品」は、pH試薬を内蔵した尿パッドを出展。ペットの尿に応じて酸性・アルカリ性を色で示し、病気の兆候を早期に察知できるという。これまで感覚に頼るしかなかった体調の変化を、視覚的に把握できる製品として評価されている。
さらに、「杭州翔天サプライチェーン管理」は、ペット用衣類を展示していた。「このセーターはクリスマスをモチーフにしたジャカード編みで、欧米や日本・韓国の市場に適している」と語るのは営業担当の張晶晶(Zhang Jingjing)氏。「今やペットは人間にとって家族の一員であり、消費者は快適さや品質に敏感になっている。素材の良さを重視する傾向が強まっていて、クリスマスにはこうした衣類の需要がさらに高まるだろう」と述べた。
ペット用品に求められるものは、単なる便利さや可愛らしさを超え、健康、快適さ、そして持続可能性へと広がっている。広交会の展示ブースに立ち並ぶ中国企業の姿からは、そうした世界市場の変化を見据え、確かな手応えを得ようとする熱意が伝わってきた。(c)東方新報/AFPBB News