ペット用年越しディナーが人気、新たな市場に
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【2月5日 東方新報】春節(旧正月、Lunar New Year)シーズンに入り、ペット向けの年越しディナーが人気を集めている。飼い主たちは、おやつやおもちゃだけでなく、特別な食事を用意することで、ペットを家族の一員として迎え入れる気持ちを表している。山東省(Shandong)済南市(Jinan)に住む韓暁婷(Han Xiaoting)さんは、愛犬「球球(Qiu Qiu)」と「毛毛(Mao Mao)」のために、水餃子や鶏肉と野菜のライスボール、ウェリントン風ラムチョップなど10品目のメニューを考え、生鮮ペットフードの専門店に注文した。
このトレンドを受け、ペットフード専門店も「ペット用年越しディナーセット」を販売。済南市の「汪貝力鮮食」では、エビ団子や水餃子、ケーキ、高級スープ「仏跳牆(フカヒレやアワビ、ナマコなど高級食材をじっくり煮込んだ豪華なスープ)」などを詰め合わせた168元(約3595円)のセットが好評だった。店主の李善維(Li Shanwei)さんによると、春節だけでなく、端午節にはペット用ちまき、中秋節にはペット用月餅など、季節ごとの特別メニューを提供していく予定だという。ペットを家族の一員と考える飼い主が増える中、こうしたサービスはペットへの愛情を形にする手段として定着しつつある。
SNSでも「ペット用手作りディナー」の投稿が急増し、自家製の ブロッコリー入り鶏肉蒸し餃子や鶏肉団子などを作る飼い主が増えている。「毎週末は、うちの犬『芝麻(Zhima)』の特別食の日で、ニンジンと牛肉のハンバーグやブロッコリーと鶏胸肉のミートボールを作っている」と話す済南市の韓麗源(Han Liyuan)さんは、「手作りだからこそ特別感がある」と語る。
山東師範大学(Shandong Normal University)の李陽副(Li Yangfu)教授によると、ペット用年越しディナーをSNSで共有することが、ペットを家族の一員として迎える文化を広げるきっかけになっているという。異なる地域や背景を持つ人びとが、こうした投稿を通じて交流し、ペットの飼育に関する情報を共有することで、ペット文化がより多様に発展している。
また、ペットフード市場の拡大に伴い、より細分化された高級フードの需要も高まっている。今後は、年齢や品種、健康状態に応じたカスタマイズフードが登場する可能性もある。さらに、ペット業界は他の産業との連携によって、新たな市場を生み出している。「ペット+旅行」では、ペット同伴可能な宿泊施設や観光地が増え、「ペット+エンタメ」では、ペットをテーマにした映画やバラエティ番組が注目されている。ライブ配信によるペット用品の販売も活発化しており、飼い主とペットのリアルタイムのやり取りが購買意欲を高め、ペット市場のさらなる成長を後押ししている。(c)東方新報/AFPBB News