【5月7日 AFP】ドイツのフリードリヒ・メルツ新首相(69)は6日、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」がドナルド・トランプ米大統領の側近らに強く後押しされたのを受け、米国はドイツの内政に「干渉」すべきではないと述べた。

保守派のメルツ氏は同日、欧州最大の経済大国ドイツの首相に選出され、8日にトランプ氏と電話会談を行う計画も明らかにした。

メルツ氏率いる保守政党連合、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は2月の総選挙で第1党となった。反移民を掲げるAfDは、同党史上最高となる得票率20%以上を獲得して第2党につけた。

選挙戦中、AfDはトランプ氏の側近でIT業界の億万長者のイーロン・マスク氏やJ・D・バンス副大統領の強い支持を得ていた。

メルツ氏は、最近の米国側による「不合理な発言」を批判したが、具体的にどの発言かには言及せず、「米国政府には、原則的に(ドイツの内政に)干渉しないよう求めたい」と述べた。

政治家として長年にわたり米国とのつながりを持つメルツ氏は、「米国は(極右や極左の)過激派政党と、中道派政党とを明確に区別できる国」だと常に思ってきたと述べた。

メルツ氏は6日、公共放送ZDFに対し、トランプ氏が当選した2024年米大統領選に「私は干渉しなかった」と述べた。

先週、ドイツの情報機関がAfDを「極右団体」に認定したのを受け、マルコ・ルビオ米国務長官は「偽装された専制政治だ」と猛反発。「ドイツは方針転換すべきだ」と主張した。

バンス氏もX(旧ツイッター)で、「西側諸国は協力してベルリンの壁を崩壊させた。そしてそれは、ソ連やロシアではなくドイツの体制側によって再建された」と批判した。

マスク氏は1月に行われたAfDの集会にオンライン参加し、聴衆に向かって「皆さんこそが(ドイツにとって)最善だ」と述べていた。(c)AFP