バンス氏、欧州の「対米従属」に警鐘 もっと自立を
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【4月16日 AFP】J・D・バンス米副大統領は、欧米間の同盟関係を称賛し、欧州に対しこれまでよりも肯定的な姿勢を示す一方、もっと自立するよう促した。
バンス氏は、14日に公開されたニュース・オピニオンウェブサイト「アンハード」のインタビューで、欧州連合(EU)と英国について珍しく好意的な発言をし、「私は欧州を愛している。欧州人も愛している」と主張した。
「安全保障に関して米国の永続的な従属国となるのは欧州にとって良くない」と述べ、欧州諸国が安全保障と経済の両面で米国に依存しているとするこれまでの批判を繰り返し、「欧州が何でも米国の言いなりになることは望んでいない。彼らの利益にもならなければ、われわれの利益にもならないと思う」と続けた。
バンス氏によれば、欧州がもっと「自立」し、米国の外交政策決定に「抵抗」できるようになるのは「米国にとって良いこと」だという。
バンス氏は「米国のイラク侵攻については、多くの欧州諸国が正しかったと思う」「欧州がもう少し自立し、あと少し抵抗する意思さえ持っていたら、米国主導のイラク侵攻という戦略的大惨事から世界全体を救えたかもしれない」との見解を示した。
経済面では貿易戦争激化と経済不安への懸念を和らげようと、ドナルド・トランプ大統領の政策について、「欧州との多くの良好な貿易関係につながるだろう」と述べた。
だが、ドイツなどの一部の国については「対米輸出に大きく依存している」と述べ、良好な貿易関係を構築するのは困難との見方を示した。
一方で、英国を称賛し、「両国にとって最善の利益となる素晴らしい合意に達する可能性が高い」と述べた。
英国のキア・スターマー首相はトランプ政権に譲歩しつつ、有利な貿易協定の締結を目指しており、チャールズ国王はトランプ氏を国賓として招待している。トランプ氏は1期目にも国賓として訪英しており、同一人物が国賓として2度の招待を受けるのは異例。(c)AFP