【4月24日 AFP】世界保健機関(WHO)や国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は23日、麻疹(はしか)や髄膜炎、黄熱病などワクチンで予防可能な感染症の発生件数が、誤情報が広がったり国際援助が削減されたりする中で世界的に増加していると警告した。

WHOとユニセフ、ワクチン普及に取り組む国際組織「Gaviワクチンアライアンス」が、24~30日の「世界予防接種週間」を控えて共同声明を出した。

声明の中でWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、「ワクチンは過去50年間で1億5000万人以上の命を救ってきた」としながら、「保健分野への世界的な資金拠出削減を受け、これまでの努力で得られた成果が危機にさらされている」と指摘。

感染症は世界中で広がっており、「命を危険にさらすとともに、各国で医療費負担を増大させている」と述べた。

声明は麻疹について、「特に危険な再流行」を見せていると警告。

確認された感染件数は2021年以降、毎年増えており、23年には前年比20%増の推定1030万件に達した。さらに24年、25年もこの傾向は続く見通しとしている。

過去12か月間、麻疹の症例は138か国で報告され、うち61か国では大規模または破壊的な発生が見られた。12か月間に確認された件数としては、19年以来最多という。(c)AFP