英最大ユダヤ人団体の一部メンバー、イスラエル政府を激しく批判
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【4月18日 AFP】英国最大のユダヤ人団体「英国ユダヤ人代議員会」のメンバー36人が17日、イスラエル政府を批判し、パレスチナ自治区ガザ地区での紛争にこれ以上「目をつぶる」ことはできないと述べ、「イスラエルの魂が引き裂かれている」と訴えた。
英国ユダヤ人代議員会はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権を支持する方針を取っているが、メンバーの約8分の1に当たる36人は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に掲載された公開書簡で、団体方針に反してネタニヤフ政権を批判した。
公開書簡には、「耐え難い現状から目をそらしたくなるが、われわれユダヤ人の価値観が、立ち上がり、声を上げなければならないという気持ちにさせる」と記されている。
2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる越境攻撃でガザ紛争が始まって以来、英国ユダヤ人代議員会のメンバーがイスラエル政府を公に批判するのは初めて。
書簡は、2か月に及んだ停戦が3月18日に崩壊して以来、多くの命が失われたことについて「われわれは目をつぶっていることも、黙っていることもできない」とし、「イスラエルの魂が引き裂かれている。英国ユダヤ人代議員会のメンバーであるわれわれは、われわれが愛し、深い絆で結ばれているイスラエルの将来を危惧している」と訴えた。
また「イスラエル史上最も過激な政府」が、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸におけるパレスチナ人への暴力を公然と奨励しているとも批判。
「われわれはこの戦争に反対する。パレスチナ人の命が失われた事実を認め、深く哀悼する」と続けた。
これに対し、英国ユダヤ人代議員会の広報担当者は英紙ガーディアンに対し、書簡に署名した以外のメンバーは「間違いなく、この悲惨な状況に対する根本的な責任はハマスにあると強調するだろう」と述べた。
また同団体のフィル・ローゼンバーグ会長は公開書簡について、イスラエル批判が「英国ユダヤ人代議員会の総意、ひいては英国ユダヤ人社会の総意であるとの印象」を与えると指摘。 ハマスについて「ほとんど言及されていない」上、人質をめぐる合意の第2段階の履行失敗に関するハマス側の責任についても「全く言及されていない」と批判した。(c)AFP