【4月18日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は17日、関税政策によるインフレ高進を警告した連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に猛反発し、同氏を退任させることも可能だと主張した。FRBは多くの国の中央銀行と同様に独立性を持っている。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、パウエル氏について「私が頼めば辞めるだろう」「彼には満足していない。そのことは本人にも伝えてある。私が辞めてほしいと頼めばすぐさま辞めるだろう。私を信じろ」と述べた。

トランプ氏は、これに先立ち自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への痛烈な投稿で、パウエル氏に金利引き下げを要請。「(パウエル氏の)退任は、いくら早くても早過ぎることはない」と述べた。

関係筋は米紙ウォールストリート・ジャーナルに対し、トランプ氏はパウエル氏の解任について、数か月にわたって非公式に検討を重ねてきたが、最終的な決定には至っていないと語った。トランプ氏は、フロリダ州の私邸「マーアーラゴ」でケビン・ウォルシュ元FRB理事と非公式に面会した際にこの問題を持ち出したという。

米大統領にFRB理事を解任する直接的な権限はないが、トランプ氏は解任の「理由」を証明することで、パウエル氏を退任させる長期的な手続きに着手することは可能だ。

パウエル氏は16日、トランプ氏がほぼすべての貿易相手国に課す包括的な関税は、FRBを「インフレ対策」と「失業対策」のどちらかを選ばなくてはならないという望ましくない立場に追い込む恐れがあると警告した。(c)AFP