米特使が「ロシア側の言説を拡散」 ゼレンスキー氏
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【4月18日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日、ロシアとの和平合意がウクライナ被占領地の帰属によって決まることを示唆した米国のスティーブ・ウィトコフ特使(中東担当)について、「ロシア側のナラティブ(言説)を広めている」と非難した。
ウィトコフ特使は11日、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクでウラジーミル・プーチン大統領と2か月で3度目の会談に臨んだ。ドナルド・トランプ米大統領は3年以上続くウクライナ紛争の停戦仲介の動きを強めている。
ゼレンスキー氏は記者団に対し、「ウィトコフ氏はロシア側の戦略を採用したとみられる。これは非常に危険だ。意識的か無意識的かは分からないが、ロシアのナラティブを広めているからだ」と述べた。
さらに「彼にウクライナの領土について議論する権限があるとは思えない。ウクライナの領土はウクライナ国民のものであり、現役世代だけでなく将来のウクライナ国民のものでもあるからだ。だから私には彼が話していることが全く理解できない」と続けた。
ウィトコフ特使は14日、FOXニュースに対し、和平合意は、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ領のドネツク、ルガンスク、ザポリージャ、ヘルソン4州とクリミア半島の帰属次第だと語った。
ロシア側は、和平合意の一環として4州とクリミア半島の領有権が認められることを望んでいるが、ウクライナ側は難色を示している。ロシアは2014年に一方的に併合を宣言したクリミア半島を除く4州は完全に支配していない。(c)AFP