【4月18日 AFP】オランダに拠点を置く世界報道写真財団が運営する世界報道写真コンテストは17日、2025年のワールドプレスフォトオブザイヤーにパレスチナ自治区ガザ市に対するイスラエルの攻撃で両腕を失った9歳のパレスチナ人少年の肖像を選出した。

撮影したのは米紙ニューヨーク・タイムズのサマル・アブ・エルーフ氏。写っているのはマフムード・アジョール君で、昨年の爆発で両腕を失った後、カタールのドーハに避難した。

エルーフ氏は「マフムードの母親が私に話してくれたことの中で最もつらかったことの一つは、彼が初めて自分の腕が切断されたことに気づいたとき、最初に母親に『どうしたらお母さんを抱きしめることができるんだろう』と言ったことだ」と語った。

エルーフ氏もガザ地区出身で、2023年12月に避難した。現在はドーハに拠点を置き、重傷を負ったパレスチナ人を写真に収めている。

エルーフ氏は「このプロジェクトに取り組むことは特別でありながら痛みを伴う経験だった。プロジェクトを通じて、負傷したパレスチナ人のガザの外での困難な生活を伝えたかった」と記者に語った。

コンテストの審査員はこの写真の「強い構図と光への配慮」、その考えさせられるテーマ、特にマフムード君の将来への疑問を提起していることを高く評価した。

審査員によると、マフムード君は現在、足でスマートフォンのゲームをしたり、書いたり、ドアを開けたりすることを学んでいる。

エルーフ氏は「パレスチナの子どもたちは経験した恐怖のために大きな代償を払っており、マフムードはその一人にすぎません」と語った。(c)AFP