【4月15日 AFP】ロシア軍に参加し、拘束された中国人捕虜2人の記者会見をウクライナが開いたことを受け、中国政府は15日、「政治的な操作や過剰な報道」を行わないよう関係各方面に求めた。

捕虜について尋ねられた中国外務省の林剣報道官は「中国は関連する情報と状況を確認中だ」と回答。中国政府は「関係各方面に対し、中国の客観的かつ公平な立場を正確に理解し、政治的な操作や誇張を控えるよう」求めたことを明らかにした。

ウクライナは14日、拘束された中国人捕虜2人の記者会見を首都キーウで開いた。武装警備の下で、2人は捕虜交換を希望したほか、他の中国人に対し、戦闘に参加しないよう警告した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先週、数百人の中国人がロシア軍に合流し、前線で戦っていると述べた。

しかし中国政府は15日、「これまで繰り返し安全勧告を発出し、自国民に対して武力衝突地域に近づかず、いかなる形でも紛争に関与しないよう強く求めてきた」と強調。

「海外における中国市民の個別の行動や領事案件については、中国は法に基づいて対処している」と述べた。

ウクライナ紛争をめぐり中国は、西側諸国とは異なり中立的立場を取っており、どちらの側にも決定的な軍事支援は行っていないと主張している。だが、中国は政治的・経済的にロシアと親密な同盟関係にあり、北大西洋条約機構(NATO)加盟国からは「紛争の決定的な支援者」だと非難されている。(c)AFP