【4月14日 AFP】昨年12月の「非常戒厳」宣布をめぐり、内乱を首謀した罪で起訴された韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の初公判が14日午前、ソウル中央地裁で行われた。

韓国の憲法裁判所は今月4日、非常戒厳の宣布を受けて弾劾訴追された尹氏を罷免していた。

代表取材によると、裁判長は出廷した尹氏を「元大統領」と呼び、「尹錫悦被告、以前の職業は元大統領ですね。現在の住所は」と尋ねた。

公判では、検察側の証人として軍人2人の出廷が予定されている。うち1人は、上層部から「非常戒厳を解除するために集まった議員を国会から引きずり出せ」と指示を受けたと主張している。

専門家は、尹氏の刑事裁判は長期化する可能性が高いとみている。

弁護士のミン・ギョンシク氏はAFPに対し、「初審の判決は8月ごろに出る可能性が高いが、この事件には約7万ページの証拠と多数の証人が関わっている。裁判所が必要と判断すれば、公判は延長される可能性がある」と語った。

2016年12月に弾劾された朴槿恵(パク・クネ)元大統領の場合、最高裁で判決が確定したのは2021年1月だった。

尹氏は有罪となれば、終身刑または死刑を言い渡される可能性がある。ただ韓国では1997年以降、死刑執行は事実上停止されている。(c)AFP