【4月12日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は11日、イスラエルがシリアに分断の種をまき、同国のバッシャール・アサド前政権が打倒された「革命」を「ご破算」にしようとしていると非難した。

トルコは、アフメド・アル・シャラア暫定大統領の主要支援者。シャラア氏が率いたタハリール・アルシャーム機構(HTS)をはじめとする旧反体制派は昨年12月、アサド前大統領を打倒した。

エルドアン氏は地中海に面したリゾート、南部アンタルヤで開催された外交フォーラムで、「イスラエルは民族的・宗教的つながりをあおり、シリアの少数派を暫定政府に敵対させることで、(アサド政権が転覆した)12月8日革命をご破算にしようとしている」と主張。

同日アンタルヤ入りしたシャラア氏は、フォーラムの傍らでエルドアン氏と会談。トルコ大統領府は、握手する両首脳の写真をX(旧ツイッター)に投稿した。

中東の大国であるトルコとイスラエルは、政治的に不安定なシリアをめぐって影響力争いを繰り広げているが、今週、緊張緩和を目指して協議を開始したばかりだった。

イスラエルは国境地帯からシリア軍を遠ざけるために空爆と地上侵攻を開始しており、トルコに批判されている。

シリアの消息筋によると、トルコはシリア国内に「軍事拠点」を複数設置したいと考えており、その一つは先週イスラエルの攻撃を受けたホムス県の「T4基地」内とされる。(c)AFP