【10月15日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は14日、レバノン南部に展開する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に対するイスラエル軍の攻撃を阻止できなかったとして国連(UN)を批判した。

 レバノンで同国のイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)とイスラエル軍の戦闘が続く中、ここ数日間でUNIFIL隊員少なくとも5人が負傷している。

 エルドアン氏は、ヒズボラやパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)との紛争をめぐり、イスラエルに制裁を科すことができずにいるとして、その点でも国連を批判した。

 イスラエルを痛烈に批判しているエルドアン氏はテレビ中継された演説で、「自らの要員を守ることができないという国連のイメージは恥ずべきことであり、憂慮すべきだ」「率直に言って、国連安全保障理事会(UN Security Council)はなぜイスラエルを止めずに手をこまねいているのかと、われわれは自問している」と発言。

「信じられるだろうか。イスラエルの戦車はUNIFILの区域に侵入し、平和維持要員を攻撃し、負傷までさせている。だが、国連安保理はこの犯罪行為を傍観するだけだと決めている。これが無力というものだ」と批判した。

 国連は、イスラエルによるUNIFIL攻撃を非難している。

 アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は、イスラエル兵はUNIFILの敷地内に「意図的に侵入」したと主張。イスラエルによるUNIFIL攻撃は「戦争犯罪と見なされ得る」と警告した。

 一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は13日、ヒズボラがUNIFILを「人間の盾」として利用していると主張し、グテレス氏に対し、UNIFILを「危険な場所」から遠ざけるよう求めた。

 だが、UNIFILは駐屯地を離れることを拒否。イスラエル軍がUNIFILの拠点を「意図的に」攻撃したと非難している。(c)AFP