「シティー・キラー」小惑星、地球衝突確率3.2%に NASA
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【2月19日 AFP】米航空宇宙局(NASA)が18日に公表したデータによると、一つの都市全体に甚大な被害をもたらし得る「シティー・キラー」に分類される小惑星「2024 YR4」が、2032年に地球に衝突する確率が3.2%となり、現在の予測において最も脅威的な宇宙の岩石となった。
地球への衝突確率は高まっているものの、専門家らは過度な警戒は不要としている。世界の天文学界は状況を注意深く観察しており、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡でも来月「2024 YR4」を観測する予定だ。
NPO「惑星協会」の主任研究員であるブルース・ベッツ氏はAFPに対し、天文学者がデータを収集するにつれて確率は一時的に上昇するが、その後急速にゼロへと下がる可能性が高いとの見解を示した。
「2024 YR4」は昨年12月27日、南米チリのエル・サウセ天文台によって発見された。
天文学者らは「2024 YR4」の明るさから、直径を40~90メートルと推定している。光学的特性の分析によると、この小惑星は希少な金属が豊富なものではなく、比較的一般的な組成であることが示唆されている。
地球に衝突する恐れのある天体を観測する国際的な機関で構成される「国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)」は1月29日、「2024 YR4」の衝突確率が1%を超えたことを警告する通知を発表した。それ以来、確率は変動しているものの、上昇傾向が続いている。
NASAの最新の分析では、衝突確率は3.1%で、衝突が予測されるのは2032年12月22日となっている。これは約32分の1の確率に相当し、コイントスで5回連続して結果を当てるのと同じ確率だ。
30メートルを超える小惑星がこれほど大きなリスクをもたらしたのは、2004年の「アポフィス」以来となる。アポフィスは一時、2029年に地球へ衝突する可能性が2.7%とされていたが、その後の追加観測によって衝突の可能性は否定された。
欧州宇宙機関(ESA)惑星防衛局のリヒャルト・モイスル局長は、今回の衝突確率がアポフィスを上回ることを「歴史的」だと述べた。ただし、ESAは「2024 YR4」の衝突確率をNASAよりわずかに低い2.8%と見積もっている。