欧州首脳、トランプ政権対応で団結模索 ウクライナめぐり緊急会合
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【2月18日 AFP】欧州主要国の首脳は17日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の呼び掛けの下、パリで非公式の緊急会合を開き、ドナルド・トランプ米政権が進めようとしているロシア・ウクライナの停戦交渉への対応を協議した。
ドイツで開催されたミュンヘン安全保障会議でJ・D・バンス米副大統領が欧州連合(EU)を痛烈に批判したことから、各国首脳の間には動揺と反発が広がっている。
一方、米ロの外交トップは18日、ロシアによる2022年のウクライナ侵攻開始以降初となる会談を予定。ウラジーミル・プーチン大統領の外交的孤立解消を狙うトランプ氏の意向を受けたものとみられている。米国の対ロ方針転換を如実に示す事例だ。
欧州側は、トランプ氏がウクライナとEUの頭越しにロシアと停戦交渉を進めることを懸念。米国依存を脱却して防衛費を増額するとともに、停戦合意成立後のウクライナへの平和維持軍派遣案などをめぐり、検討を迫られている。
仏大統領府によると、マクロン氏は会合直前にトランプ氏と電話協議した。
緊急会合後、共同声明や大々的な発表はなかった。
ポーランドのドナルド・トゥスク首相は「今回の会合に参加した全員が、欧米関係、北大西洋条約機構(NATO)、そして米国とわれわれの友好関係が新局面に入ったことを認識している」と述べた。
英国のキア・スターマー首相は、「持続的な和平合意が結ばれた場合、他国と合同で英国軍をウクライナに派遣する案を検討する用意がある」と表明。その上で、「米国による安全保障の担保こそが、ロシアが再びウクライナを攻撃するのを抑止する唯一の道だ」と強調した。
ドイツのオラフ・ショルツ首相はこれに対し、ウクライナに平和維持軍を派遣する議論は「時期尚早」であり、紛争が続いている段階で派兵を議論するのは「極めて不適切だ」と主張。「不適切なタイミングでの的外れな問題」を議論することに「少々いら立った」と話した。
マクロン氏は、「降伏」に等しい和平合意に警鐘を鳴らした。仏紙ルモンドによれば、欧米間の「歴史的な」断絶と評したマクロン氏は、「欧州は、ミュンヘン(安全保障会議)で突然、目を開かれた。今後、欧州の安全保障は基本的に自らを頼りとし、自分たちの団結をいかに維持するかにかかっている」と訴えた。(c)AFP/Valérie Leroux, Francesco Fontemaggi and Stuart Williams