【1月28日 AFP】地球上を恐竜が闊歩(かっぽ)していた時代にさかのぼる化石化した嘔吐(おうと)物が、デンマークで発見された。同国の東シェラン博物館が27日、発表した。

化石は、首都コペンハーゲン南郊にあるユネスコ世界遺産で白亜質の断崖「ステウンスの崖壁」から見つかった。

発見したのは地元のアマチュア化石ハンター、ピーター・ベニケ氏。散歩中に地層から見つけた珍しい破片を博物館に持ち込んだ。調査の結果、化石は約6600万年前、白亜紀末期の水生生物ウミユリの一部だと判明した。

専門家によると、魚が食べた後、消化できなかった部分を吐き出したものと考えられる。化石には少なくとも2種類のウミユリが含まれていた。

同博物館はプレスリリースで「この種の発見は、過去の生態系を説明する上で非常に重要と考えられている。どの生物がどの生物を食べていたのかということに関して重要な情報を提供するもの」と述べた。

同国の古生物学者のイェスパー・ミラン氏は「本当に珍しい発見」であり、先史時代の食物連鎖の関係性を解明する助けになると述べる。

ミラン氏は「ウミユリは主に石灰質の茎板で構成されていて、柔らかい部分はごくわずかしかなく、特に栄養価の高いわけではない」が、「6600万年前の白亜紀の海底には、ウミユリを食べ、その骨格部分を吐き出した生物がいたということだ。それはおそらく魚の一種だったのだろう」と説明した。(c)AFP