【1月25日 AFP】南仏モンペリエの裁判所は24日、13歳の娘を虐待の末に餓死させた母親に終身刑を言い渡した。娘は長年虐待を受け、2020年8月6日に心臓発作を起こして死亡した。食事をずっと与えられておらず、身長155センチに対し、体重は28キロしかなかった。

サンドリーヌ・ピサラ被告(54)は、娘のアマンディーヌさんを虐待したとして有罪となった。判決によると、仮釈放の資格を得るまでに最低でも20年服役しなければならない。

判決はこの罪に対する最高刑。検察の求刑が、裁判官3人と陪審員6人の合議体によって認められた。

また、ピサラ被告の元パートナー、ジャンミシェル・クロ被告(49)は、アマンディーヌさんへのネグレクト(育児放棄)で禁錮20年を言い渡された。

クロ被告には仮釈放の可能性はない。検察が求刑した禁錮18年より重い量刑となったが、法定刑では最長で禁錮30年を科される可能性もあった。

ジャンマリ・ベニー検事はクロ被告について、「アマンディーヌさんが死ぬまで世話しなかった」「卑怯(ひきょう)な協力者」と非難した。

ピサラ被告は同日午後の最終陳述で、「子どもたちに謝りたい。それだけだ」「何も付け加えることはない」と述べた。

検視報告書によれば、アマンディーヌさんは極度に痩せ、筋肉量も極めて少なく、敗血症を患っていた。歯も数本失い、髪も抜けていた。窓のない物置部屋に何週間も閉じ込められ、食事も与えられていなかった。

ベニー検事によると、アマンディーヌさんは幼少期から、ほうきなどでたたく、殴る蹴る、小突く、髪を引っ張るなどの暴行を受ける他、たびたび怒鳴られ、言葉の暴力も受けていた。

ベニー検事はピサラ被告を「家庭内の暴君、家庭内の独裁者、アマンディーヌさんの処刑人」と呼び、最低20年は仮釈放が許可されない終身刑以外あり得ないと訴えた。