■「もう避難民を受け入れない」

 アルワンさん宅のすぐ隣に住む兄弟のサーキスさんは「私たちはキリスト教徒で、キリスト教は寛容を教えている。だが、今では教訓を学んだ。もう家族の家に誰かを受け入れることはしない」とAFPに語る。

 サーキスさんは具体的な組織名は挙げなかったものの、イランの支援を受けるヒズボラが、レバノンをイスラエルとの戦争に引きずり込んだことに怒りを示し、イスラエルの主要な同盟国である米国には「かなわない」と述べた。

 教会の広場のそばに立っていた高齢の女性は、「イスラエル軍にいつ攻撃されるのかと常に恐怖を感じている。ヒズボラの指揮官がどこにいようと、イスラエル軍は狙うはずだから」と不安を口にする。

 だが、話が避難民に及ぶと、その声には同情がにじんだ。「かわいそうに。安全な場所に逃げたはずなのに。今や安全な場所などどこにもない」 (c)AFP