【10月8日 AFP】2017年の世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)で男子800メートルの銅メダルに輝いたケニアのキピエゴン・ベット(Kipyegon Bett)選手が、腎肝不全のため6日に死去したと家族が明かした。26歳だった。

 ベット選手はケニアの中距離ランナーで最も期待された選手の一人だったが、運動能力を向上させる効果のある禁止薬物エリスロポエチン(EPO)に陽性反応を示して2018年8月に陸上競技の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」から4年間の資格停止処分を受けた。

 本人は使用を否定したが、2021年に開催された東京五輪と2022年の世界陸上オレゴン大会(World Athletics Championships Oregon 22)には出られなかった。

 きょうだいの一人は7日にAFPの取材で、ベット選手が「うつ状態になり、大量に飲酒するようになった」と明かした。亡くなる1週間ほど前にケニア西部の地元ケリチョ(Kericho)郡の病院に運ばれ、一度は退院したものの、4日に容体が悪化して再入院していたという。

 ベット選手は2016年に行われたU-20世界陸上の800メートルを制し、翌年には世界陸上の他、中国・上海で開催されたダイヤモンドリーグ(Diamond League)の800メートルでも、五輪2連覇中だった世界記録保持者の同胞デビッド・ルディシャ(David Lekuta Rudisha)ら強豪選手を抑え、勝利を飾った。(c)AFP