【10月5日 AFP】フィリピンは4日、中国が領有権を主張する南シナ海(South China Sea)の西沙諸島(パラセル諸島、Paracel Islands)沖で9月29日にベトナム漁船が中国の法執行機関職員に襲撃された事件を非難した。フィリピンも南シナ海で中国と激しく対立しており、武力衝突の恐れが高まっている。

 西沙諸島をめぐっては、中国とベトナムが領有権を主張しているが、フィリピンはしていない。

 フィリピンのエドゥアルド・アニョ(Eduardo Ano)国家安全保障担当顧問は声明で、「2024年9月29日にパラセル諸島近海で中国海警局がベトナム人漁師に対して行った暴力的かつ違法な行為を強く非難する」と述べた。さらに、「不当な襲撃」であり、「国際関係において許されない憂慮すべき行為」と批判した。

 フィリピン外務省も同日、別途声明を出し、この「重大事件」を認識していると表明。

「フィリピンは、南シナ海における武力、攻撃、脅迫の行使を一貫して非難しており、関係当事者らが真の自制心を発揮すべきだと強調した」「船舶とその乗組員、特に漁師の海上での安全を確保することは最も重要な義務だ」と続けた。(c)AFP