【9月26日 AFP】英国のキア・スターマー(Keir Starmer)首相は25日、国連安全保障理事会(UN Security Council)での初めての演説で、ロシアは自国民を肉ひき機に投入していると非難した。

 スターマー氏は、ウクライナ侵攻で「ロシア兵60万人が死傷した」と述べ、ロシアは国連本部で「どんな顔をして出席しているのか?」と皮肉った。

 さらに「彼ら(ロシア)が守ることを誓っている国連憲章は、人間の尊厳に言及している。それは、自国民を肉ひき機に投入する肉片として扱うことではない」と述べた。

 スターマー氏の演説の間、ロシアのドミトリー・ポリャンスキー(Dmitry Polyanskiy)国連副大使は、頭に手を当てて下を向き、書類を見ていた。

 またスターマー氏は、イスラエルがイランの支援を受ける武装勢力に対する二正面作戦を強化しているレバノンとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での即時停戦も要求。

「イスラエルとレバノンのヒズボラ(Hezbollah)間の即時停戦と、政治的計画の実行が必要だ」「安全保障は、エスカレーションではなく、外交によってもたらされる。ここには軍事的解決策はないし、ガザ紛争にも軍事のみによる解決策はない。国連安保理は、ガザでの即時かつ全面的、完全な停戦と、人質全員の解放を改めて要求しなければならない」と述べた。

 スターマー氏は国内で、贈答品受領スキャンダルや、失言をめぐって圧力にさらされている。

 スターマー氏は24日、イングランド北西部リバプールで開催された労働党の会合で、ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の停戦を呼び掛ける中、ハマスに「ソーセージ(sausages)」の返還を求めると言い間違え、すぐに「人質(ホステージ、hostages)だ」と言い直した。その様子を捉えた動画は即日、拡散された。(c)AFP