【9月3日 AFP】フランス南部アビニョン(Avignon)で2日、強い鎮静剤で妻の意識を失わせてインターネットで募った男数十人にレイプさせたとして起訴された電力大手フランス電力(EDF)の元従業員ドミニク・P(Dominique P.)被告(71)の裁判が始まった。事件は全仏を震撼(しんかん)させている。

 本件では、主犯のドミニク被告を含め51人が、同被告の妻で現在72歳の女性をレイプした罪に問われている。警察は、計92回のレイプが行われ、72人の男が関与したことを確認。うち計51人の身元を特定した。年齢は26~74歳とされる。

 女性の代理人弁護士アントワーヌ・カミュ(Antoine Camus)氏は、公判は女性にとって「過酷な試練」になるだろうと指摘。

「彼女は事件後かなりたってから初めて、10年以上にわたって受け続けたレイプの苦難に耐えなければならない」と語った。女性はレイプの「記憶がなく」、2020年になって初めて自分がレイプされていたことを知ったという。

 カミュ氏によれば、女性が非公開審理を求めなかったのは「被告らが非公開審理を望んでいた」ためだという。

 もう一人の代理人弁護士、ステファヌ・バボノー(Stephane Babonneau)氏によれば、ロジェ・アラタ(Roger Arata)判事は女性の希望通り、「最後まで公開審理」を行うと発表した。

 バボノー氏は、女性は「自分の身に起きたことをできるだけ大勢の人に知ってもらい、こうした事件が二度と起きないようにすることを希望している」と語った。