■加害者には「家庭的な父親」も

 捜査当局は「coco.fr」呼ばれるサイトで、ドミニク被告が自宅での妻との性行為の参加者を勧誘するチャットログも発見した。このサイトは警察によって閉鎖された。

 警察は、計92回のレイプが行われ、72人の男が関与したことを確認。うち計51人の身元を特定している。

 ドミニク被告は、妻に強い鎮静剤、主に抗不安薬のテメスタを投与したと自供した。

 レイプはドミニク被告夫婦がパリ近郊で暮らしていた2011年に始まり、2年後にマザンに引っ越した後も続いた。

 ドミニク被告はネットで募った男らに、レイプの最中に妻が目を覚まさないよう、妻に手を触れる前に両手を温めるなど、細かく指示。臭いが残るためアフターシェーブローションやたばこを禁じ、寝室に衣服を残し忘れないようキッチンで服を脱ぐよう指図していた。

 検察によると、ドミニク被告もレイプに加わってその場面を撮影。下劣な言葉を言うよう男らをけしかけていた。

 金銭のやりとりはなかった。

 レイプに加わった男たちの年齢は21~68歳。職業はフォークリフト運転士や消防士、社長、ジャーナリストなど。独身者から既婚者、離婚経験者までさまざまで、既婚者の中には周囲に家庭的な父親として知られる男らもいた。

 ほとんどは1回だけの参加だったが、中には6回レイプに加わった男もいる。(c)AFP/Philippe SIUBERSKI and David COURBET