【8月9日 AFP】スウェーデン政府は8日、今年の人口動態について、半世紀ぶりに転出者数が転入者数を上回る社会減となる見通しだと発表した。

 2022年に発足した右派連立政権は、極右政党の協力を得ており、移民を厳しく取り締まると表明している。

 マリア・マルメルステーネルガルド(Maria Malmer Stenergard)移民相は記者会見で、今年1~5月、転出者数が転入者数を5700人上回ったと述べた。

 スウェーデン統計局(Statistics Sweden)の暫定値によると、今年1~5月の転入者数は前年同期比で15%減少した。

 一方、転出者数は前年同期比で60%増加。難民認定申請者数は引き続き減少し、1997年以降で最低水準に落ち込んだ。

 マルメルステーネルガルド氏は「難民認定申請者数は歴史的な低水準にある。難民関連の仮滞在許可者数も減少を続けている」とした上で、スウェーデンでは50年ぶりに転出者数が転入者数を上回る社会減となったと述べた。

 同氏は「持続可能な移民に向けたこの傾向は、(移民の)社会的統合を促進し、(移民の)社会的排除を抑制するために必要だ」と強調した。

 スウェーデンは1990年代以降、主に旧ユーゴスラビアやシリア、アフガニスタン、ソマリア、イラン、イラクなどの紛争地帯から多数の移民を受け入れている。(c)AFP