【2月16日 AFP】スウェーデン政府は15日、就労ビザを取得する際に要件とされる収入額の引き上げを検討していると発表した。

 マリア・マルメルステーネルガルド(Maria Malmer Stenergard)移民相は、外国人労働者の要件となる最低収入の引き上げに関する政府調査の完了に合わせて会見を開き、「そもそも必要としているのは、高度な知識や技能を有する優秀な人材の移民だ」「だが、求められる技能も賃金も低い職業の移民が依然として多い」と語った。

 スウェーデンは既に昨年11月1日から、シェンゲン協定(Schengen Agreement)または欧州連合(EU)加盟国以外出身の外国人が就労ビザを取得する要件とされる月収を、従来の1万3000クローナ(約19万円)から2万7360クローナ(約39万円)に引き上げている。

 政府調査会は現在、これをさらにスウェーデンの月収の中央値に近い3万4200クローナ(約49万円)に引き上げることを提案している。

 反移民を掲げるスウェーデン民主党の協力を得ている保守派・穏健党のウルフ・クリステション(Ulf Kristersson)首相率いる連立政権は2022年の発足以来、移民の制限を公約に掲げてきた。

 最低収入額の引き上げで最も影響を受けるのは飲食業界と清掃業界だが、ステーネルガルド氏は「多くの場合、すでにスウェーデンに住んでいる人々で賄えるはずだ」と述べた。

 2023年11月現在、スウェーデンの就労ビザ保有者6万3477人のうち1万4991人が、現在の収入要件である2万7360クローナを満たしていない。

 だが政府は、来年6月1日に新たな要件を発効させる法案を、議会で可決できると見込んでいる。(c)AFP