潘の100自由形世界新「人間には不可能」 豪コーチが疑問視
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【8月3日 AFP】オーストラリア競泳男子の元五輪選手で現在は同代表のコーチを務めるブレット・ホーク(Brett Hawke)氏は1日、パリ五輪の男子100メートル自由形で中国の潘展楽(Pan Zhanle)が樹立した世界新記録は「人間には不可能」なタイムだと発言し、正当性に疑問を投げ掛けた。一方、同種目銀メダルのカイル・チャルマース(Kyle Chalmers、オーストラリア)は、潘は勝利にふさわしいとの考えを示した。
先月31日に行われた100メートル自由形決勝で、19歳の潘は自身が2月に樹立した世界記録46秒80を大きく更新する46秒40をマークし、2位以下に体一つの差をつけて圧勝した。
現役時代は自身も自由形のスプリンターで、同種目で初めて47秒台を切ったセザル・シエロ・フィーリョ(Cesar Cielo Filho、ブラジル)を指導した経歴を持つホーク氏は、「あり得ない。カイル・チャルマース、ダビド・ポポビチ(David Popovici、ルーマニア)、ジャック・アレクシー(Jack Alexy、米国)らを相手に、100メートルで体一つ分も差をつけて勝てるはずがない。そんなのは人間には不可能だ」と述べた。
中国の競泳選手をめぐっては、2021年東京五輪前のドーピング検査で陽性となりながら五輪出場を認められていたことが4月に明らかになり、騒動となった。報道によると、潘は問題の23選手には含まれていないとされている。
中国の競泳選手に対しては、パリ五輪前に厳しい検査が行われている。
潘は勝利後のインタビューで、「完璧なパフォーマンス」だったとレースを振り返り、「昨年、自分は29回検査を受けたが、一度も陽性にはなっていない」「このレース後にも検査を受けた。結果がどうなるか見てみよう」と話した。
一方、同種目でリオデジャネイロ五輪では金、東京五輪では銀を獲得しているチャルマースは、潘の記録はクリーンだと思うかという豪メディアの質問に対し、「イエス」と回答。「自分は勝つために可能な限り全力を尽くしているし、みんなも自分と同じようにスポーツの高潔さを守っていると信じている」と話し、潘が「金メダルにふさわしい」と付け加えた。(c)AFP