【6月19日 AFP】パリ五輪の競泳に臨む中国代表が19日に発表され、ドーピングスキャンダルに関与したとされる11人が選出された。

 2021年に延期された東京五輪を前に、同国代表の競泳選手23人が禁止薬物のトリメタジジン(Trimetazidine)に陽性反応を示したことが4月に明らかとなっていたが、世界反ドーピング機関(WADA)は食品汚染が原因だったとする中国側の説明を受け入れて処分を科さなかったことが報じられている。このうち数選手は、東京大会で金メダルを含むメダルを獲得している。

 その報道で名前の挙がったうちの11人がパリ大会に向けたメンバー入りし、バタフライのスペシャリストで東京で2個の金メダルを獲得した張雨霏(Zhang Yufei、チョウ・ウヒ)、こちらも金メダリストの汪順(Wang Shun、オウ・ジュン)、男子200メートルの世界王者で世界記録保持者の覃海洋(Qin Haiyang)らが名を連ねている。

 先日には米紙ニューヨーク・タイムズが、汪、覃ともう一人の選手から、その数年前に実施された別の検査でも禁止薬物が検出されていたと報じている。中国当局は、3人が汚染された食べ物を誤って摂取したとして、処分は下さなかったと説明している。

 7月26日に開幕するパリ五輪では、米国やオーストラリアといった強豪国とともに中国勢にはメダル獲得が期待されているが、選手たちは厳しい視線にさらされることになるとみられる。(c)AFP