シー・シェパード創設者逮捕「適切に対応していく」 日本政府
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【7月25日 AFP】林芳正(Yoshimasa Hayashi)官房長官は24日、デンマーク自治領グリーンランドで反捕鯨団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」の創設者、ポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者(73)が逮捕されたことについて、政府として初めて言及し、「適切に対応していく」と述べた。
グリーンランドの警察は21日、日本の要請を受けて国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)が発行した「赤手配書」に基づき、米国とカナダの国籍を持つワトソン容疑者を逮捕した。勾留期間は8月15日までで、この間にデンマーク法務省は引き渡しの是非を判断する必要がある。
林官房長官は記者会見でワトソン容疑者について、「わが国は以前から、ICPOの国際手配に基づいて、関係国機関に対して必要な働き掛けを行ってきている」「いずれにしても、引き続きこの件に関して捜査を行っている海上保安庁において、関係省庁と協議をしながら適切に対応していく」と語った。
仏大統領府(エリゼ宮、Elysee Palace)は23日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が、ワトソン容疑者の身柄を日本に引き渡さないようデンマーク当局に強く求めていると明らかにした。
フランスでは、ワトソン容疑者の釈放を働き掛けるようマクロン氏に求めるオンライン署名が約47万5000筆以上を集めた。映画界のレジェンドで動物愛護活動家のブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)さんら著名人も署名している。
ワトソン容疑者の赤手配書は2012年に発行された。ICPOは当時、同容疑者について、2010年に南極海で日本の捕鯨船に傷害や器物損壊などを行った容疑で同国に指名手配されたと説明していた。(c)AFP