【7月23日 AFP】クレムリン(Kremlin、ロシア大統領府)は22日、パリ五輪を取材する一部のロシア人記者がフランス側に排除されたことを非難した。これに先立ち、仏政府関係者は、数人がスパイ活動をしている疑惑があることを明らかにした。

 フランスのジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相は、週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュでのインタビューで、パリ五輪を取材するためのメディア許可証について、ロシア市民からの申請書の「多数」を拒否したと述べた。同内相が語ったところによると、そのうち何人かが実際にはモスクワの情報機関で働いており、「情報収集」や「サイバー攻撃を実行する目的でコンピューターへのアクセス権を入手する」ために、大会に入り込もうとしている疑いがあるという。

 この日、国営ロシア通信は記者5人が許可証を拒否されたと発表した。同国のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は、「フランスの決定は受け入れられない」「メディアの自由を侵害している」とし、人権団体にこの問題を取り上げるよう呼び掛けた。

 ロシアはウクライナへの軍事侵攻をめぐり、26日に開幕するパリ五輪への出場を禁止されている。国際オリンピック委員会(IOC)と各国際競技連盟(IF)は、軍とは無関係でウクライナへの攻撃を支持していない一握りのロシア選手のみ、中立の立場での大会参加を認めている。(c)AFP