■個人崇拝

 英エセックス大学(University of Essex)のナターシャ・リンドステット(Natasha Lindstaedt)教授(政治学)は今回の出来事について、トランプ氏とその側近が何年にもわたって周到に培ってきた個人崇拝を強調するものだとの認識を示した。

 リンドステット氏はAFPに対し、個人崇拝を推し進めた指導者には独裁者もいれば選挙で選ばれた者もいるが、目的は同じだと指摘。「人々を無批判に従わせ、超人的な資質で惑わすことだ」と語った。

 トランプ氏が自身を米国唯一の救世主だと位置づけるのは今に始まったことではないが、暗殺を免れたことでその説得力は大きく高まったという。

 保守派が好んで使うソーシャルメディアでは現在、イエス・キリスト(Jesus Christ)がトランプ氏の両肩に手を添える画像が拡散している。

 トランプ氏の次男の妻で共和党全国委員会(RNC)共同委員長を務めるララ・トランプ(Lara Trump)氏は、「恐れることはない。私はあなたと共にある」とのキャプションを添えてこの画像をインスタグラムに投稿した。

 党大会に参加したニューヨーク代議員のジャック・プレンダガスト(Jack Prendergast)氏はAFPに、「私はキリスト教徒でカトリックだ」とした上で、「トランプ氏の肩には天使が座っていた。神の手がトランプ氏の首を傾けたのだと思う」との見方を示した。

 リンドステット氏は「個人崇拝は民主主義にとって極めて有害だ」「普通なら従わないようなことにも従い、崇拝の対象を信じて疑わなくなるからだ」と警告した。

 さらに、大統領の免責特権を事実上強化する最近の最高裁判決と相まって、「トランプ氏が何をするつもりであろうと、当選してしまえば、民主主義のガードレールは米国を守れないのは明らかだ」と指摘し、「実際にそうなるだろう」との見方を示した。(c)AFP/Moises Avila with Issam Ahmed in Washington