【7月10日 AFP】ロシアを訪問したインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は9日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談し、「戦争で問題は解決できない」として、「対話による平和」を実現するよう呼び掛けた。

 モディ氏が8日にモスクワ入りする数時間前には、ウクライナ各地がロシア軍のミサイル攻撃を受け、少なくとも38人が死亡した。ウクライナ側の発表によれば、首都キーウの小児病院も被害を受けた。

 ウクライナ侵攻以降初めてロシアでプーチン氏と会談したモディ氏は、ウクライナ紛争について「率直かつ詳細な」話し合いを行ったと述べた。

 モディ氏はヒンディー語で「罪のない子どもたちが殺され、死んでいくのを目にする心の痛みは耐え難い」とプーチン氏に語り掛けた。

 さらに「戦争で問題は解決できない。解決策や和平交渉も、爆弾や銃、弾丸が使用されている間は成功しない」「対話を通じて平和への道を見つける必要がある」と続けた。

 これに対しプーチン氏は、「喫緊の課題に関心」を示し、「ウクライナ危機についても、当然ながら、まずは平和的手段によって解決する方法を模索してくれている」と謝意を表した。

 モディ氏は8日、プーチン氏の邸宅で同氏と固いハグを交わすところを撮影された。

 これを受けウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はSNSで、「世界最大の民主国家の指導者が、このような日に、世界一残虐な犯罪者とモスクワで抱擁する様子を見て、非常に失望した。平和を実現する取り組みにとっても大打撃だ」と非難した。(c)AFP