【6月6日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は5日、アメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)での演説で、人類が気候変動に与える影響は恐竜絶滅の引き金となった隕石(いんせき)に匹敵すると述べた。また、化石燃料の広告禁止を含む迅速な措置を求めた。

 グテレス氏は「何十億年にもわたって地球上の生命を形成してきた巨大な力の中で、人類はレーダー上の小さな一点にすぎない」「だが、恐竜を絶滅させた隕石のように、人類は絶大な影響を及ぼしている」と警告。

「気候(変動)において、われわれは恐竜ではない。隕石だ。人類は危険にさらされているだけではない。われわれこそが危険なのだ」と述べ、人類は「気候変動という地獄へ向かう高速道路から降りるべきだ」と主張した。

 グテレス氏は特に化石燃料業界を「気候カオスのゴッドファーザー」と呼んで責め、また気候変動対策の遅れに一役買ってきたとしてその広告主を「イネイブラー(助長者)」と呼び非難。

「狂気をあおるマッドメン」たる広告主は「きょうから化石燃料企業を新たにクライアントとすることをやめ、(化石燃料産業の)既存のクライアントを捨てる計画を立てるべきだ」とも主張した。

 またすべての国に対し、「たばこのような人体に有害な製品」に対して行っているように、化石燃料企業の広告を禁止するよう求めた。(c)AFP