中国2隻目の国産大型クルーズ船、さらに進化した造船術で建造中
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【5⽉27⽇ Peopleʼs Daily】中国船舶集団(CSSC)の上海外高橋造船2号ドックでは、中国国産として2隻目の大型クルーズ船が建造中だ。ドックの南側にある総合棟の12階では、クルーズ船プロジェクト部の韋勝聖(Wei Shengsheng)副部長と楊シン(「シン」は「品」の「口」をすべて「金」に替える、Yang Xin)氏がその日の仕事の段取りを話し合っていた。
国産大型クルーズ船に使われる部品数は2500万点を超える。韋副部長は、「クルーズ船の建造は最初の鋼板の切断から特殊です。多くの鋼板は4~8ミリの薄板で、他の種類の船舶とは違います。大型クルーズ船では重量管理が非常に重要で、自重が1トン増えるごとに、船の搭載物や乗客数を減らすことになります」と語った。
また、大海原での航行時に波風に耐えねばならず、さらに給水、電力供給、汚染物質排出などの問題や、乗船する数千人の生活や娯楽の需要に応じねばならない。限られた空間でこのような煩雑な機能の調和を実現することは実に難しい。
楊氏は、「船体部分が完成すれば、各部品の取り付けです。まるで『積み木』のようです。簡単なように見えますが、『学問』が大量につまっています。クルーズ船には船体部分とホテル部分があり、乗客に飲食や娯楽、宿泊を提供する数十の区画があり、各種の部屋が2000以上ある巨大システムです」と説明した。クルーズ船には最先端の造船技術や最も優れた素材、エンジン技術、電子技術、通信ナビゲーション技術、ホテル工学技術が集約されている。
韋氏によると、大型クルーズ船は数千人が同時に生活するために、限られたスペースに通常の貨物船の100倍以上の設備を入れねばならない。スペースの利用法として極限状態という。
中国初の大型クルーズ船の愛達・魔都号(Adora Magic City)は着工が2019年で、完成までに3年以上を要した。楊氏は、「われわれは一番船の開発経験を総括した上で、一連の科学研究の成果、管理経験、道具と手段により、工程の最適化と技術上の難関突破を進めました」と説明した。2隻目のクルーズ船では前回と比べて建造効率を20%向上させる計画という。例えばドックでの船体建造が約8か月短縮されるなどで、大型クルーズ船建造の競争力が向上するという。楊氏は「われわれは自信をますます強めています」と述べた。
2隻目のクルーズ船は前回の船よりも巨大で、設備はさらに先進的だ。生活娯楽エリアは16階建ての巨大な上部構造の部分に配置されるが、設計の最適化により公共エリアと屋外活動レジャーエリアの面積が増えるので、乗客の満足度がさらに向上する。計画によると、同船はドック内で船体の製作、機材搭載、部分的な艤装(ぎそう)などを行い、2025年に船室部分の内装などをほぼ完了させ、2026年3月末にドックを出て、同年6月に試験航行を開始し、年末までに命名と引き渡しを行う。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News