【5月17日 CGTN Japanese】中国東部の江蘇省南通市のある会社に勤務する従業員は勤務時間中、何度も無断でトイレに長時間とどまっており、これを発見した会社側が当該従業員を解雇しました。従業員は、会社の解雇は労働契約違反であるとして、会社側に損害賠償金を請求しましたが、現地の裁判所は原告の請求を棄却しました。

 劉さんは2015年6月に南通市のある会社に入社し、月収は1万元(約21万円)前後でした。2023年2月2日から2月23日までの間、劉さんは頻繁に、長時間会社のトイレにとどまり、その累計時間は平均すると1日1時間以上、長い場合は6時間を超えたこともあります。会社はこれを発見した後、劉さんの行動は会社の規則制度に違反しているとして、劉さんとの面談後、「労働契約解除通知書」を送付して、双方が締結した労働契約を2023年2月24日付で解除することを決めたため、劉さんは3月3日に退職手続きを行いました。

 2023年8月、劉さんは労働仲裁を申し立て、会社側に20万元(約431万円)余りの損害賠償を請求しましたが、申し立てを退けられたため、現地の南通市通州区人民法院(裁判所)に提訴しました。

 裁判で劉さんは、トイレにとどまっていたのは個人の生理的欲求と職務上(会社の整理・整頓・清掃分野の検査員)の責任に基づいたものであり、労働紀律と規則制度に甚だしく違反したことを理由とした会社の解雇には根拠がないと主張しました。

 会社側が提出した証拠によると、劉さんは2023年2月に長時間トイレにとどまり、1回の滞在時間は31分から3時間5分までで、1日の滞在時間は最短1時間22分、最長で6時間21分でした。会社側の規則制度によると、劉さんの見なし欠勤時間は累計6日に及ぶことがわかりました。通州区人民法院は審査の結果、会社はその規則制度に基づいて劉さんとの労働関係を解除する権利があると判断し、劉さんには会社に損害賠償金を請求する根拠がなく、支持しないと言い渡しました。判決が言い渡された後、劉さんは上訴しませんでした。(c)CGTN Japanese/AFPBB News