【5月14日 AFP】テニスのイタリア国際(Internazionali BNL d’Italia 2024)で13日、気候変動の抑制を訴える環境保護団体ラスト・ジェネレーション(Last Generation)のメンバーがコートに侵入し、2試合が中断を余儀なくされた。

 伊ローマのスタディオ・ニコラ・ピエトランジェリ(Stadio Nicola Pietrangeli)で行われた女子シングルス4回戦では、マディソン・キーズ(Madison Keys、米国)が6-2、3-1でソラナ・シルステア(Sorana Cirstea、ルーマニア)にリードしていた場面で、オレンジのベストを着た環境活動家が乱入してコートに液体や紙吹雪をまき散らし、警備員に連行された。

 約30分でコートの清掃が終わった後、キーズは6-2、6-1で勝利を収め、世界ランキング1位のイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)との準々決勝に駒を進めた。

 キーズは試合後、報道陣に対して「正直なところ、彼らがフェンスを越えてきたのを見た途端に『タックルしてやるべきかな?』と思った」と冗談を飛ばしつつ、「残念ながら、こういうことが少し日常茶飯事になり始めていたので、あのときは多少試合が遅れることになるだろうと判断し、とにかくコートから出て立て直そうと思った」と振り返った。

 一方、男子ダブルスの試合が行われていた隣接のコート12でも、メンバー2人が乱入して液体や紙吹雪をばらまくハプニングがあった。

 大会の広報担当者によると、少なくともメンバー1人が連行を遅らせるためにスタンド席の地面に接着剤で足を固定しようとしたため、警察の到着を待つ間、観客は避難させられていたという。その後、男子ダブルスの試合は再開された。

 ラスト・ジェネレーションの活動家は3月にも、ローマ・マラソン(Rome Marathon 2024)を一時妨害し、警察に逮捕された。同団体はイタリア政府に対し、「気候変動で被害に遭っている全ての人々」のために、200億ユーロ(約3兆3600億円)の賠償基金を設立するよう求めている。(c)AFP